紫陽花の名前の由来 [花]
今の時期そこここに色とりどりに咲いている紫陽花。
あじさいの語源の由来を調べてみました。
なぜ「あじさい」というのか、なぜ「紫陽花」と書くのか?
[6月4日北鎌倉・明月院]
「語源由来辞典」によれば、
あじさいは、古く「あづさヰ(あぢさヰ)」であった。「あづ(あぢ)」は集まるさまを意味し、特に小さいものが集まることを表す語。「さヰ」は「真藍(さあい)」の約、もしくは接頭語の「さ」と「藍(あい)」の約で、青い小花が集まって咲くことから、この名が付けられたとされています。
http://gogen-allguide.com/a/ajisai.html
[6月5日北鎌倉・明月院]
Wikipediaによれば、「アジサイの語源ははっきりしないが、最古の和歌集『万葉集』では「味狭藍」「安治佐為」、平安時代の辞典『和名類聚抄』では「阿豆佐為」の字をあてて書かれている。もっとも有力とされているのは、「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」がなまったものとする説です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/アジサイ
[6月5日北鎌倉・明月院]
多くの関連サイトが「あづ」(=集まる)「さあい」(=さ「藍」)とする立場だが、異論もあります。
以下、「アジサイの語源」というサイトから。
「アジサイの語源は、「鳬障藍(アヂサハフアヰ)」 アヂ鴨が網に懸ったように藍色の花弁の群がる花とする。」
http://www.ctb.ne.jp/~imeirou/soumoku/a/ajisai.html
[6月5日北鎌倉・明月院]
さて、アジサイの語源はこのへんにして、次にどうしてアジサイを紫陽花と書くのか、へと進みたい。
先に引用したWikipediaによれば、
「日本語で漢字表記に用いられる「紫陽花」は、唐の詩人白居易が別の花、おそらくライラックに付けた名で、平安時代の学者源順がこの漢字をあてたことから誤って広まったといわれている。」
[6月10日文京区・白山神社]
源順(みなもとのしたごう911-983)は、平安時代中期の学者で歌人であった貴族です。
なんと、勘違いで広まった漢字表記が、1000年以上も訂正されずに使われ続いているんですね。
この白居易(772-846)の「紫陽花」の詩はどういうものだったかというと、
[6月10日文京区・白山神社]
何年植向仙壇上 何(いづれの)年にか仙壇(せんだん)の上(ほとり)に向きて植ゑたる
早晩移栽到梵家 早晩(いつ)か移し栽(う)ゑて梵家(ぼんか)に到れる
雖在人閒人不識 人間(じんかん)に在(あ)りと雖(いへど)も人識(し)らず
與君名作紫陽花 君が与(ため)に名づけて紫陽花(しやうくわ)と作(な)す
[6月12日府中市・郷土の森博物館]
いつの年、仙境の辺に植えたのか。
いつこの寺に移し植えたのか。
人間界にあるのに人は知らない。
君のために紫陽花と名付けよう。
[6月12日府中市・郷土の森博物館]
白居易はこの詩に次のように自注を添えています。
「招賢寺に山花一樹有り、人の名を知るもの無し。色紫にして気香ばしく、芳麗愛す可く、頗る仙物に類す。因つて紫陽花を以て之を名づく。」
この花には香りがあるとされています。つまり、香りのない紫陽花とは別の花ですね。また、この時代の唐には、日本固有の花であるあじさいは、まだ存在していませんでした。
[6月12日川崎市麻生区・浄慶寺]
源順は編纂した百科辞典『倭名類聚抄』(わみょうるいじゅしょう)で、「紫陽花」の解説として「白氏文集律詩云 紫陽花 和名安豆佐爲」と記載しました。
先に引用した白居易の詩に歌われている「紫陽花」を「あじさい」と解釈し、「和名安豆佐爲(あづさゐ)」としたようです。
[6月19日川崎市多摩区・妙楽寺]
いずれにせよ「紫陽花」という表記はあじさいの花のイメージにぴったりであるため、定着してしまい、今更別の表記に変えるなんてことはできませんね。
あじさいの語源の由来を調べてみました。
なぜ「あじさい」というのか、なぜ「紫陽花」と書くのか?
[6月4日北鎌倉・明月院]
「語源由来辞典」によれば、
あじさいは、古く「あづさヰ(あぢさヰ)」であった。「あづ(あぢ)」は集まるさまを意味し、特に小さいものが集まることを表す語。「さヰ」は「真藍(さあい)」の約、もしくは接頭語の「さ」と「藍(あい)」の約で、青い小花が集まって咲くことから、この名が付けられたとされています。
http://gogen-allguide.com/a/ajisai.html
[6月5日北鎌倉・明月院]
Wikipediaによれば、「アジサイの語源ははっきりしないが、最古の和歌集『万葉集』では「味狭藍」「安治佐為」、平安時代の辞典『和名類聚抄』では「阿豆佐為」の字をあてて書かれている。もっとも有力とされているのは、「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」がなまったものとする説です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/アジサイ
[6月5日北鎌倉・明月院]
多くの関連サイトが「あづ」(=集まる)「さあい」(=さ「藍」)とする立場だが、異論もあります。
以下、「アジサイの語源」というサイトから。
「アジサイの語源は、「鳬障藍(アヂサハフアヰ)」 アヂ鴨が網に懸ったように藍色の花弁の群がる花とする。」
http://www.ctb.ne.jp/~imeirou/soumoku/a/ajisai.html
[6月5日北鎌倉・明月院]
さて、アジサイの語源はこのへんにして、次にどうしてアジサイを紫陽花と書くのか、へと進みたい。
先に引用したWikipediaによれば、
「日本語で漢字表記に用いられる「紫陽花」は、唐の詩人白居易が別の花、おそらくライラックに付けた名で、平安時代の学者源順がこの漢字をあてたことから誤って広まったといわれている。」
[6月10日文京区・白山神社]
源順(みなもとのしたごう911-983)は、平安時代中期の学者で歌人であった貴族です。
なんと、勘違いで広まった漢字表記が、1000年以上も訂正されずに使われ続いているんですね。
この白居易(772-846)の「紫陽花」の詩はどういうものだったかというと、
[6月10日文京区・白山神社]
何年植向仙壇上 何(いづれの)年にか仙壇(せんだん)の上(ほとり)に向きて植ゑたる
早晩移栽到梵家 早晩(いつ)か移し栽(う)ゑて梵家(ぼんか)に到れる
雖在人閒人不識 人間(じんかん)に在(あ)りと雖(いへど)も人識(し)らず
與君名作紫陽花 君が与(ため)に名づけて紫陽花(しやうくわ)と作(な)す
[6月12日府中市・郷土の森博物館]
いつの年、仙境の辺に植えたのか。
いつこの寺に移し植えたのか。
人間界にあるのに人は知らない。
君のために紫陽花と名付けよう。
[6月12日府中市・郷土の森博物館]
白居易はこの詩に次のように自注を添えています。
「招賢寺に山花一樹有り、人の名を知るもの無し。色紫にして気香ばしく、芳麗愛す可く、頗る仙物に類す。因つて紫陽花を以て之を名づく。」
この花には香りがあるとされています。つまり、香りのない紫陽花とは別の花ですね。また、この時代の唐には、日本固有の花であるあじさいは、まだ存在していませんでした。
[6月12日川崎市麻生区・浄慶寺]
源順は編纂した百科辞典『倭名類聚抄』(わみょうるいじゅしょう)で、「紫陽花」の解説として「白氏文集律詩云 紫陽花 和名安豆佐爲」と記載しました。
先に引用した白居易の詩に歌われている「紫陽花」を「あじさい」と解釈し、「和名安豆佐爲(あづさゐ)」としたようです。
[6月19日川崎市多摩区・妙楽寺]
いずれにせよ「紫陽花」という表記はあじさいの花のイメージにぴったりであるため、定着してしまい、今更別の表記に変えるなんてことはできませんね。
コメント 0