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雪わたり [雪景色]

大雪の降った余韻で雪の話が続きます。

雪をみて想い出すのは宮沢賢治の「雪わたり」です。

「かた雪かんこ、しみ雪しんこ。」

四郎とかん子の兄妹がうたいながら雪の上をあるいていると、子ぎつねの紺三郎がなかまに入ってきて友達になり、二人はきつねの幻灯会に招待される、というお話です。

私が子供の頃、ソノシート(レコードのうすっぺらいもの)に、この「雪わたり」の童話があって、電蓄(今となっては死語ですが、たぶん「電気蓄音機」の略)で繰り返し聞いていました。

随所に、
『キックキック、トントン』
『キックキック、トントン』
といった拍子が挿入されてそれが調子のいい言葉のリズムとなって、聞いていると思わず口ずさんでしまいます。

物語の主題は「相手を信じること」
「先入観を持って相手をみないこと」
なのだと思います。

ところが、賢治が訴えたかった「人を信じること」が、今は逆に、
「人を信じてはいけません」
「道でものを訊かれたら一目散に逃げる様に」
と、子供達に教えざるを得ない現実があります。

「雪わたり」の話を想い出しながらそんなことを考えました。

写真は文と関係ありません。
先日雪のなか訪れた円覚寺の境内での光景です。

[1月21日撮影]


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コメント 6

東雲

先週の土曜日に降った雪が 日曜の朝 カチンコチンに固くなっていた時
私も賢治の「かた雪かんこ...」を思い出していました。
私の田舎の方では「しみわたり」と言って その昔 田んぼや畑の上に
降り積もったカチンコチンの雪の上を渡りながら 学校へ行った事を...。

これからの世の中 もっともっと...悪い方へ行ってしまいそうな気がします。
by 東雲 (2006-01-26 04:44) 

Silvermac

ViolaMacです。
今日の雪景色も良いですねぇ〜
降りしきる様子がよく分かります。
ほんと、これからどんな時代になっていくのでしょうか。
孫達の将来が心配です。
by Silvermac (2006-01-26 14:15) 

achami

やはり70年代が良かったのかも・・・。
by achami (2006-01-26 15:05) 

「雪わたり」も雪が降って思い出したのですか?
ソノシート・・・懐かしいですね。セルロイドのようなすけすけの薄いのでした。折れると、音が飛ぶ~~!
by (2006-01-26 18:19) 

レイン

私も子供の頃、札幌で暮らしたことがあります。新雪の表面がかちんこちんに凍っていたことを想い出します。雪国に住む人には賢治の童話が深く理解できますね。人を信じないで育つ子供が大きくなる頃、どんな社会になってしまうのでしょうか。

Violaさん、なかなか文章にあった写真を撮ることは難しいものです。これからの時代、悲観的に思うことも多いのですが、希望も持ち続けたいですね。

achamiさん、70年代は私にとって多感な青春時代!!と重なります。今も気持ちは継続中です。

こぎんさん、同じソノシート世代ですね! ほかにも「セロ弾きのゴーシュ」とか「ブーフーウー」とか、いろんなソノシートをもっていました。さすがに今はみかけませんね。
by レイン (2006-01-27 01:32) 

Tytto

『キックキック、トントン』『キックキック、トントン』 なんでだろ、
この部分だけ覚えてます。
そう言う話だったんですね。
時代の流れでしょうか。。。。
by Tytto (2006-01-28 04:37) 

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