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開港記念会館 その2 [横浜散歩]

昨日に引き続き横浜市の開港記念会館の紹介です。

建物の敷地内には3つの記念碑があります。
歴史の古い順に、「岡倉天心生誕之地」「横浜町会所跡」「横浜商工会議所発祥の地」です。

岡倉天心は東京美術学校(現在の東京芸大)の創設や日本美術院の結成など、多くの芸術家を育て;列強の支配下にあったアジアの解放を唱え、その文化的優秀性を強調した人です。
その天心はこの地にあった越前藩の生糸売込商「石川屋」に生まれ、幼き日を横浜で過ごしました。

次の町会所は、この地にかつて建てられていた建物で、「時計台」の愛称で親しまれていました。1874年(明治7年)に竣工し、明治22年の市制施行まで横浜の町政はここで執られていたのです。

町会所の建物の姿が説明板にありました。
今の開港記念会館のほうがかつての町会所を意識してデザインされたのではないかと思います。

その町会所内に横浜商工会議所が設立されたのが1880年(明治13年)です。
外国商人に対抗するため横浜商人の結束をはかるもので、生糸貿易商の原善三郎らの尽力によるものだったそうです。

町会所はその後横浜貿易相会館、さらに横浜会館とその名を改めましたが、明治39年12月に類焼し焼失しました。
跡地に開港50周年を記念して現在の開港記念会館が建てられたのです。

古い絵葉書をみつけました。
震災復興後の建物の様子がわかります。

外壁や塔は修復されたものの財政事情からドームの復元は見送られました。

開港記念会館は、このように多くの変遷とエピソードを持つ建物です。

もうすぐ横浜は開港150周年の年を迎えます。
幾多の危機と困難に耐え抜いた建物の歴史でした。


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コメント 2

Silvermac

明治の偉大な思想家ですね。
by Silvermac (2005-09-16 14:55) 

レイン

SilverMacさん、コメント & nice! ありがとうございます。
岡倉天心は文明開化一辺倒の明治時代に東洋の覚醒、アジアはひとつと主張した特異な思想家ですね。
by レイン (2005-09-17 01:20) 

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