吊し柿

三渓園の移築民家の一つに、合掌造りの旧矢箆原（やのはら）家住宅があります。元は岐阜県の白川郷にあった民家です。

そこの軒先に吊し柿がありました。


干し柿は、渋柿の皮をむいて天日で干し、甘くしたもの。
干し方により、串柿（くしがき）・つるし柿・転柿（ころがき）などと呼ばれます。

つづいては、11月の三連休の初日、いいお天気だったので、川崎市にある日本民家園を訪ねました。
ここは全国各地の古民家を二十数棟、移築展示している施設です。
旧佐々木家(長野県佐久郡)住宅の軒下に、甲州市の「ころ柿」が吊るされていました。


都会に住む暮らしではなかなかお目にかかれない、冬支度の風物詩。



ちなみに、ころ柿とは、コロコロと転がして位置を変えながら柿を丁寧に乾かしたことから、「枯露柿」と名づけられたそうです。


吊るし柿の句を集めてみました。

山頂に移る夕日や吊し柿　　　鈴木とし子
吊柿下から順に姿消し　　　　菊谷潔
吊されて柿飴色に日を返す　　木村てる代



吊るし柿影は軒端に濃さを増し　　　　　　れいん
古民家の手斧（ちょうな）の跡や吊るし柿



ことごとく冬に入りたる吊し柿　　石田勝彦
ころ柿の粉の*峭絶の雪嶺か　　　　大野林火
ころ柿も一年ぶりや淡路島　　　　正岡子規

*峭絶（しょうぜつ）　高く険しく切り立つさま。



［11月17日、23日撮影］

コメント 2

我が家では毎年作っていますよ。柿は果物屋さんに注文しています。
by takenoko (2018-12-17 08:35) 

takenokoさん
都会にお住まいでも干し柿作っていますか。
自分で作る柿の味は格別でしょうね。

by レイン (2018-12-28 20:08)