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鎌倉・永福寺跡 [史跡散歩]

先日瑞泉寺を訪れた帰り、永福寺跡の前の道を通りました。
その時は昼食場所へと急いでいたので立ち寄りませんでしたが、昔ここで写真を撮ったことを思い出しました。

鎌倉市二階堂にある永福寺跡は、かつて一面に荻(おぎ)が広がり、文字通り荻原でした。
源頼朝が奥州藤原氏との合戦に勝利し、源義経・藤原泰衡ら数万の怨霊を鎮め、冥福を祈るために発願したのが永福寺(ようふくじ)です。

中尊寺の二階大堂、大長寿院を模して本堂が二階建てであったことから、二階堂とも称されました。今も永福寺跡周辺は二階堂の地名が残っています。
永福寺はその後、室町時代に炎上し、二度と再建されることはありませんでした。

以下の写真は、今から10年前の2007年10月の撮影。
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廃寺跡の荒れ果てた雰囲気が伝わるでしょうか?

昭和41年(1966年)史跡に指定され、昭和58年(1983年)から平成8年(1996年)まで発掘調査が行われました。三つのお堂があり、これらは「吾妻鏡」に記載のある二階堂、阿弥陀堂、薬師堂であることがわかりました。

発掘調査でわかった建物と庭園(鎌倉市教育委員会)
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この図は下が東です。なので、二階堂は東向きに建てられています。
これは地形の制約によるものではなく、西方浄土を拝する浄土信仰の現れと考えられます。

2007年から復元整備工事に着手、2017年6月二階堂などの基壇と苑池の復元が完了し公開されています。ただし、建物の復元を行う予定はないそうです。

今から3年前の2014年12月、工事中の現場の写真を撮りました。
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工事中でもたくさんの見学者が訪れていました。
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湘南工科大学が制作した復元想像CG
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一面に広がっていた荻の原っぱは刈り込まれ、もう見ることはできません。
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【お知らせ】
鎌倉歴史文化交流館にて、企画展「甦る永福寺ー史跡永福寺跡整備記念ー」が12月9日(土)まで開催中です。
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